カメラを本格的な趣味として十数年楽しんでいるのですが、ここ数年のデジカメの進化には驚かされるものがあります。
一昔前は所謂プロ機でしか撮影できなかった場面も、安価なミラーレスカメラでさえ撮影可能になりました。
カメラを選ぶ基準が、より趣味嗜好によるものとなったので、私も安価で必要十分な富士フイルムの”FUJIFILM X-T20”を使用しています。
しかし、カメラの進化とは対象的にレンズは物理的な制約がある以上、驚くほどの進化を見ることはできません。
便利でキレイに撮れるレンズは数多く販売されていますが、大きさや価格に性能が並ぶことには変わりありません。
私が富士フイルムのカメラを使う理由は、そのレンズが非常に魅力的であるからです。
#xf56は抜群の色気がありますし、#xf16は日常のあらゆるスナップに欠かすことができません。
#xf50-140は動体撮影の要で、各種イベント事には必ず持ち出すレンズです。
これらのレンズのためだけに富士フイルムを使っているのですが、それ以上に手放せないレンズが一本あります。それは、#ibelux40mmf085です。
富士フイルム純正のレンズでもなく、ましてやマニュアルフォーカス専用レンズです。
焦点距離の割にまったく寄ることもできず、絞り開放ではピントの芯を探すこともできないほどユルユルの描写性能です。
また、レンズ本体の重量も非常に重く、#xf50-140と同程度の大きさ、重さです。
この一見していいところのないレンズですが、一度カメラに装着し、ファインダーを覗き込むと、そこには唯一無二の世界が広がるのです。
レンズのコーティングも弱く、レンズに光源を入れると途端に破綻してしまいます。
ただ、現代レンズでは決して表現できない”味”として捉えると、途端に最高のレンズに化けだします。
撮って出しでこの様な画像をはき出すカメラとレンズの組み合わせは、なかなかないのではないでしょうか。